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2026.10.06

PGMの「アコーディア化」に線引き?10月5日の運営方針から

PGMの「アコーディア化」に線引き?10月5日の運営方針から

昨日10月5日(月)に、PGMとアコーディア・ゴルフのホームページで「【重要】利用料金改定およびゴルフ場運営方針のお知らせ」が発表されました。コストの上昇を理由に各種利用料金の改定とサービス内容の適正化を行うとともに、平和グループの3つのブランドの役割を次のように示しています。

「GRAND PGM」:上質なサービスと品質を追求し、日本一ハイグレードなゴルフ場を目指す
「PGM」:日本のゴルフにおける従来の標準的な価値とサービスを追求し、安心感と確かな品質を備えたゴルフ場を目指す
「アコーディア・ゴルフ」:若年層や女性などに向けて、カジュアルなスタイルをさらに推し進める

弊社は2024年12月の記事「PGM親会社がアコーディア・ゴルフを買収。今後どうなる?」で、グループ内でブランドの「すみわけ」が進むと予想しました。ところがそれから2年近くが経ち、最近は「PGMのアコーディア化」が進んでいるという声が増えています。

当時は4つのすみわけを予想しましたが、今回示されたのは3つでした。

弊社が2024年12月に予想したPGM・アコーディアの4つのすみわけ(カジュアル、スタンダード、プレミアム、ハイエンド)

PGMの「アコーディア化」とは

平和によるアコーディア買収の後、昨年の年会費値上げのあたりから会員やゴルファーの間で「PGMのアコーディア化」という言葉が聞かれるようになりました。効率や収益を重視した運営がPGMにも広がり、これまでのサービスや会員の待遇が変わってしまうのではないか、という懸念を表す言葉です。

具体的には、夏場は湯船が使えずシャワーのみになる、キャディバッグの積み下ろしやプレー後のクラブ拭きを自分で行う、といった変化が挙げられます。また、今回の発表によって、「利用料金の改定(はっきりと記載されている訳ではございませんが、おそらく年会費やメンバーフィ等かと想定されます)」を行うとしています。

なお、ロッカーやカートの有料化、混雑、コースコンディションへの不満は、買収の前からコースによって聞かれていたものです。すべてを「アコーディア化」と結びつけるのは正確ではないと考えています。

PGMとアコーディア、経営姿勢の違い

アコーディアは、客単価の高いビジターを積極的に受け入れ、運営を簡素化することで収益力を高めてきました。強力な集客力があってこそ成り立つ、合理的な経営です。ただその分、会員の優先度は下がりやすくなります。

これに対してPGMは、ビジターを入れつつも、メンバーの顔を立てるぎりぎりのラインを保つ「絶妙な中間」の運営を続けてきました。このバランスこそが、PGMの会員権が市場で人気を保ってきた理由です。

「アコーディア化」への懸念とは、この中間にいたPGMが、アコーディアの側へ寄っていくのではないかという心配だと言えます。

とはいえ、ビジターの来場は天候や景気に左右されます。天気予報が悪ければそもそも予約は入らず、少しでも安いコースがあればそちらへ流れます。

一方のメンバーは、天気が多少悪くても月例に出て、ホームコースに足を運んでくれます。あるPGMコースの担当者の方からは、東日本大震災の直後、ビジターの来場が途絶えた中でもメンバーは変わらず来てくれた、という話をうかがったことがあります。

同じエリアにPGMとアコーディアのコースが並ぶ地域も多い中、PGMまでビジター中心に寄せれば、グループのコース同士で同じビジターを取り合うことにもなりかねません。

今回の発表に見るPGMの運営方針

今回の発表のポイントは、PGMを「従来の標準的な価値」と位置づけ、アコーディアの「カジュアル」とはっきり分けた点です。料金改定と同じ文書でこの方針を示したことに、弊社は意味があると考えています。

ただ、方針はあくまで言葉です。その中身が問われるのは、これから示される各種利用料金の改定(年会費も含まれると弊社は見ています)と、現場のサービスでしょう。

現場では揺り戻しの動きもあります。弊社のホームコースである秦野カントリークラブでは、9月21日からクラブの拭き上げをセルフ方式に切り替える予定でしたが、当日になって従来どおりスタッフによる拭き上げを継続すると発表しました。行き過ぎた部分は立ち止まって見直す姿勢が、現場に残っていることを示す一例です。

結局、PGMはどうなるのか?

会員の方や入会を検討されている方が一番気にされているのは、「PGM寄りの運営に戻ったとしても、結局は年会費が上がっていくだけなのではないか?」という点だと思います。

弊社が把握している範囲では、飯能くすの樹、ザ・インペリアル、長太郎、京、成田の森の各コースが、2027年1月1日から正会員の年会費を1割前後引き上げます。今回の発表はコストの上昇を理由とした料金改定を前提としており、年会費の見直しは、今後ほかのコースでも続く可能性があると想定しておくべきでしょう。

物価や人件費が上がる中で、値上げそのものはやむを得ない面があります。会員の皆様の不満が大きくなったのは、年会費が上がる一方で、サービスの簡素化が同時に進んだからだと弊社は見ています。払う額は増えるのに、受けられるサービスは減る。これでは、納得しにくいのも無理はありません。

だからこそ、今回PGMが掲げた「従来の標準的な価値とサービス」の中身が問われます。年会費を上げるのであれば、それに見合うサービスが守られるのか。会員の皆様が見ているのは、まさにその点です。入会を検討されている方も、取得費用だけでなく、年会費を含めた毎年のランニングコストも考慮してご検討されることをおすすめ致します。

会員権の市場は、こうした動きに敏感です。これまでも年会費の引き上げの後には売りが増え、相場が下がる動きが見られました。

値上げ幅が大きかった例として、総武カントリークラブは、2025年10月末に、正会員の年会費を2026年1月から66,000円から132,000円(税込)へ改定すると発表しました。

以下はこの1年間の総武カントリークラブ(正会員)の相場推移です。発表前の2025年10月の400万円から、2026年9月には200万円と、1年で半分になっています。

総武カントリークラブ正会員の取引中心値の推移グラフ。2025年10月の400万円から2026年9月の200万円へ

ここまでのPGMの動きに呼応してか、神奈川県では東京カントリー倶楽部や津久井湖ゴルフ倶楽部、千葉県では姉ヶ崎カントリー倶楽部、茨城県では江戸崎カントリー倶楽部など、メンバー中心の運営を行うコースへのお問い合わせが増えています。

値上げがあっても、それに見合う「従来の標準的な価値」が保たれるのか。会員権の相場は、その答えをいちばん正直に映すものだと弊社は考えています。

会員権相場