BLOGスマートゴルフを目指して

2024.12.19

PGM親会社がアコーディア・ゴルフを買収。今後どうなる?

PGM親会社がアコーディア・ゴルフを買収。今後どうなる?

ホンダと日産が経営統合の協議を進めるニュースが話題となる中、昨晩、傘下にPGMを持つ平和がアコーディア・ゴルフの親会社の全株式を5100億円で買収するという大ニュースが飛び込んできました。

2018年のアコーディアによるオリックス・ゴルフの買収も驚きでしたが、今回はその規模の大きさから、ゴルフ業界全体を揺るがすビッグニュースかと思います。

PGMとアコーディアとの間では、10年以上前にPGMが敵対的TOBを行った経緯がありました。ただ、その際は不成立となっています。

名実ともに世界最大のゴルフ場保有会社に
今回の買収により、平和は合計321コース(アコーディア173コース+PGM148コース)を保有する世界最大のゴルフ場運営会社となります。これにより、平和の事業構成比は以下のように変化します:

現状:「遊技機事業」30%:「ゴルフ事業(PGM)」70%
買収後:「遊技機事業」15%:「ゴルフ事業(PGM+アコーディア)」85%

「総合レジャー企業」を掲げる同社ですが、今回の買収でゴルフ事業が実に85%を占めることになります。

(参考ページ)ゴルフ場経営会社の経営方針と今後の考察-2024年07月12日

双方のブランドは存続される
平和のリリースによれば、PGMとアコーディアの双方が培ってきたブランド価値や顧客特性を尊重し、統合は行わずそれぞれを存続させる方針としています。

双方のブランドイメージが既にゴルファーに浸透しているため、無理に統合することは却ってブランド価値の低下を招くリスクがあるとの判断からだと思われます。

アコーディア・PGMのゴルフ会員権
現在、PGMの会員権が市場で人気を集める一方、アコーディアの会員権はほとんど取り扱わなくなってしまいました。アコーディアが客単価の高いビジター重視の経営を進めた結果、メンバーになるメリットが薄れてしまったことが要因です。もちろんビジター重視への舵取りは強力な集客力を持っているからこそ成しえる戦略です。

(参考)アコーディア・ゴルフの今後の戦略-2022年07月11日

PGMは「従来からの日本のゴルフの良さを貫く」を掲げ、ビジターを取り込みつつも、会員制コースを維持した絶妙バランスでの運営を行っています。これが会員権の人気の差を生んでいるようです。

今後について推測するならば、平和はこの10数年でゴルファーの間に定着した両ブランドのイメージを無理に統合せず、それぞれの強みを活かした運営を続ける方針を取るのではないかと考えられます。

アコーディア・ゴルフのコースラインナップ
アコーディア・ゴルフといえば、カジュアルで初心者でもプレーしやすいコースが多いという印象がありますが、一方で、ZOZOチャンピオンシップが開催される習志野カントリークラブや、高級志向の成田ゴルフ倶楽部といったハイエンドコースもラインナップに含まれています

さらに、旧オリックス・ゴルフ・マネジメントが保有していた東千葉カントリークラブや富士市原ゴルフクラブなど、接待向けの重厚なクラブハウスを備えたコースも含まれており、いわゆる「カジュアルゴルフ」とは一線を画すコースも保有しています。

今後の展望-ポートフォリオの再編??-
世界最大のゴルフ場保有会社となって、平和が今後どう舵取りをしていくか。ここからはリリースでは記載されていなかった点を勝手に想像してみたいと思います。

あくまでも想像(妄想)ですので、その点はご理解ください(笑)。

平和が保有する約320コースは、ゴルファーの特性に応じて4~5つのブランドに再編されるのではないかと思っています。もちろん買収後すぐにではなく、数年間かけて行われるのではないでしょうか。

今後の展望-PGM&アコーディアのポートフォリオ再編

1.カジュアルゴルフ◆(初級者向け):「アコーディア・ゴルフ」
リーディングカンパニーとして、女性や若者の需要の掘り起こしを目的として、カジュアルで低価格、初心者でもラウンドしやすいコースを集約。

2.スタンダード会員制◆(従来型の大衆コース):「PGM」
従来からの日本のゴルフの良さを継承した会員制コース。初期費用もリーズナブルでアットホームな雰囲気。ただ、週末は予約が取りづらかったり、昼食時間が長かったりする大衆型コースを集約。

例:秦野、東名厚木、岡部チサン、長太郎、大厚木、寄居、彩の森など。

◆3.プレミアム会員制◆(アップグレード型):「PGMプレミア(仮)」
スタンダード会員制よりもワンランク上でやや高額だが、施設も充実した中上級層向けコースを集約。

例:阿見、ザ・インペリアル、東千葉、グレンオークスなど。

◆4.ハイエンド会員制◆(高級コース):「GRAND PGM
日本を代表する威厳と品位を兼ね揃えたハイグレードなチャンピオンコースを集約。

例:総武、美浦、PGMマリア、成田ゴルフ倶楽部、PGM沖縄など。

最後に
以上は弊社の勝手な推測に過ぎませんが、今回の買収により、平和はゴルフ業界の中心的存在として一層注目が集まることになります。両ブランドの特性を活かし、多様なゴルファーのニーズに応えるゴルフ場の運営が期待されます。今後の動向に注目していきたいと思います。

日記