2024.07.12
全国には2,100を超えるゴルフコースが存在すると言われています。バブル崩壊後、ゴルフ場経営会社は多くの統廃合を経験し、現在に至っています。
ゴルフ場経営会社とおおよその保有ゴルフ場数(2024年度)
1位:アコーディア・ゴルフ(170コース以上)
2位:PGM(約150コース)
3位:市川造園土木(約30コース)
4位:東急(約20コース)
5位:太平洋クラブ(19コース)
6位:シャトレーゼ(18コース)
※西武グループは会員権の流通が少なく、アセットライト化計画により流動的なため含まず
ゴルフ場の保有数で1位を占めるのはアコーディア・ゴルフで、全国に170以上のコースを運営しています。2位はPGMで、約150コースを所有しています。3位の市川造園土木の保有コース数は約30ですので、アコーディア・ゴルフとPGMが3位以下に5倍以上の差をつけており、両社は「ゴルフ場経営の2大グループ」とされています。
経営会社によって異なる経営方針
アコーディア・ゴルフはゴルフ人口の裾野拡大を視野に入れ、客単価の高いビジターの取り込みおよび大衆路線化を進めており、PGMは会員制コースを維持しつつ、アーリーバードや午後ハーフなどビジターの取り込みも行っています。2014年にマルハンが取得した太平洋クラブは高級路線に舵を切っており、各社の経営方針には違いが見られます。
以下の図は、各社の経営方針を「メンバー重視⇔ビジター優先」×「高級⇔大衆」の2軸で分類したマトリックスです。
※各社、パブリックコースも保有しており、また、コース毎に経営方針は異なりますので、大まかな分類としてご覧ください。
今後も続くと予想されるゴルフ場経営会社のM&A
最近では、2024年5月に宮崎県のフェニックスカントリークラブを含む「シーガイア」をアコーディア・ゴルフの親会社であるフォートレス・インベストメントグループがセガサミーから買収しました。
ただ、「2大グループ」であるアコーディア・ゴルフ(約170コース)とPGM(約150コース)のコース数を合わせても、全国のゴルフ場の約15%に過ぎません。
ゴルフ場の経営にはコースのメンテナンスや施設の修繕など多額の費用がかかるため、「規模の経済」が重要な要素となります。2018年には東千葉カントリーなど全国37コースを保有していたオリックス・ゴルフ・マネジメントをMBKパートナーズ(アコーディア・ゴルフも経営)が買収し、後にアコーディア・ゴルフが吸収合併して大きな注目を集めました。
以降、ゴルフ場経営会社同士の大きな動きは見られていませんが、今後も「規模の経済」を意識したM&Aは当面続いていくものと予想されます。
<参考ページ>
アコーディア・ゴルフの今後の戦略
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