2024年11月05日(火)
今回はPGMの「一人予約」サービスを利用して、神奈川県の大秦野カントリークラブにお邪魔しました。週末シングルゴルファー見聞記では神奈川県の6コース目になります。
【これまで当コラムで取り上げた神奈川県のゴルフ場】
・東名厚木カントリー倶楽部(2022年10月)
・東京カントリー倶楽部(2022年11月)
・相模野カントリー倶楽部(2022年12月)
・伊勢原カントリークラブ(2023年3月)
・湘南シーサイドカントリー倶楽部(2024年8月)
一人予約の場合、PGMの公式サイトでもそこそこ安いプランもありますが、P-CAP(PGMメンバー限定の割引プラン)を活用することでさらにお得になる場合があります。そのため、最近はP-CAPを利用する機会が増えています。
たとえば、今回も通常22,000円のプランがP-CAPを使用することで15,000円に。PGMの会員権を購入するメリットの一つに、こうしたP-CAPの活用があると言えるでしょう。PGMのゴルフ場を多く楽しみたい方には、一つPGMの会員権を持って、一人予約とP-CAPを活用するのはアリだと思います。
話を大秦野カントリーに戻します。
今回、久しぶりに訪れて感じたこととして、コースの狭さや高低差が苦にならない方には、非常に魅力的なゴルフ場だと感じました。狭さと高低差があると聞くと、極端にトリッキーな山岳コースを想像されるかもしれませんが、こちらはOBを連発するほどの狭さではありません。また、上りと下りが続くシンプルなレイアウトで、「下りからの山登りはもうやめてくれ」というトリッキーさは感じませんでした。
とはいえ、アップダウンの高低差はそこそこあるうえ、ホール間のインターバルもかなり長めです。そのため、健康のために「歩きゴルフ」を楽しみたい方には、正直全くおすすめできません(笑)。
詳細の感想は後述いたします。
◇アクセス
まず、大秦野カントリークラブの大きな魅力は、そのアクセスの良さではないでしょうか。
横浜町田ICから東名高速道路に入り、新東名の秦野丹沢スマートICで下りれば、信号なしでわずか約2分でコースに到着。ありえない近さです。
以前は東名の秦野中井ICからアクセスする際、少々時間がかかった印象がありましたが、この近さなら誰も文句を言わないと思います。ただし、(もちろん)コンビニエンスストアなど買い物できるところはございませんので、事前に調達しておくことが必要です。
また、クラブバスも運行しており、小田急線の秦野駅から1日4往復しています。所要時間は約20分で、始発は6:00から運行。電車利用のゴルファーでもトップスタートに余裕で間に合う点は大変便利です。
車を利用するゴルファーにも電車利用のゴルファーにも、かなり嬉しいゴルフ場といえるでしょう。
知恵袋的な情報としては、帰りは新東名を厚木南ICまで進み、そこから圏央道を少し利用するルートを取ると、高速代は多少かかるものの、厚木手前の渋滞を避けられます。「東名は混むから...」とためらっている都内のゴルファーにも、このルートは検討する価値があると思います。
◇クラブハウス
クラブハウスは、良くも悪くもオーソドックスな印象です。
接待やデートには正直向いていないと思いますが、ゴルフを楽しむために訪れるゴルファーにとっては、十分な清潔感があり快適です。シンプルで気軽に利用できるクラブハウスといえるでしょう。
◇練習場
練習場は小規模な鳥かごスタイルです。
朝一のショットの感覚を確認する程度には役立ちますが、距離を出して練習する場ではありません。それでもクラブハウスから歩いてすぐの為、気分次第で使うのが良いと思います。
◇当日のラウンド
大秦野カントリークラブはOUT-INの18ホールで構成され、Par5が3つあるため、全体ではPar71となっています。総じてヤーデージは短めで、特にアップヒルのミドルホールは距離が短めですが、打ち上げによってその短さを感じさせない工夫がされています。
グリーンはベントの2グリーン(AとB)を採用しており、当日はINスタートで、使用グリーンはAでした。メンバーの意向により、当日は白ティからラウンドしました。
<INコース>
のっけから注意があります。INスタートはスートテラスから10番ホールまでの少々距離がある為、余裕をもってカートを発進させることが、スムーズな進行の手助けになると思います。
INスタートにはパッティンググリーンもありますので、早めに移動してパター練習をしておくと、ウォームアップにも最適です。
当日も少し待ち時間がありましたが、10番ホールのティーグラウンドへ。
<10番ホール>
視覚的に狭く感じる短いミドルホールで、右が1ペナ、左がOBというプレッシャーのかかる朝一のホールです。
ただ、「視覚的に」とあえて書いた通り、実際のところはそこまで狭くなく、200ヤード付近(写真下部)の右サイドが傾斜でくびれていて、1ペナゾーンへ転がり落ちるレイアウトになっています。
左斜面を意識して打っていければ何の問題もないし、朝一のペナルティ回避であれば、180Yをしっかり打っていけば多少右のミスがあってもパーオンはきっちり狙っていける距離感です。
セカンドショットは10ヤードほどの打ち上げがあり、距離感が重要です。
<11番ホール>
恐らく悪い意味で名物ホールと言われているのではないかと思われる全く可愛くないミドルホール。
秦野市街を見渡せる美しい景観ですが、グリーンまでひたすら打ち下ろしで左ドッグレッグ、左サイドが崖(写真下部)となっているため、視覚的に右に逃げたくなるものの、打ちすぎると突き抜けるリスクが高くなります。
看板に記載の通り、退避ネットの右サイドを狙うことが重要。同伴者の方がチョロをしてしまいましたが、ネットの方向に転がり結果オーライだったこともあり、意外とプレッシャーを感じずに打てるホールかもしれません。
ティーショットは40ヤード、さらにセカンドでさらに30ヤードの打ち下ろしがあり、グリーンから振り返ると「スキー場みたいだな・・・」という印象。
セカンド残り100ヤード(-30Y)。
<12番ホール>
打ち下ろしのショートホールで、170ヤードですが20ヤードの打ち下ろしがあり、短い番手での攻めが可能です。左サイドはタイトでバンカーもあるため、ミスするなら右側がベター。
<13番ホール>
20ヤードの打ち上げがある短いミドルホールで、ロングヒッターなら1オンを狙いたくなる距離感です。
ティーグラウンドからは左のマウンドが視覚的に気になりますが、実際はその向こうは開けており、右へのミスだけを避ければ全く問題ありません。
セカンドショットは打ち上げとなるため、距離感の精度が求められます。
残り距離は約50ヤード(+10ヤード)。
<14番ホール>
早くも2つ目のショートホールで、125ヤードの短い距離ですが、10ヤードの打ち上げがあり、Aグリーンの右サイドはすぐにOBとなります。
ヘッドアップに気を付けて、気持ちオーバー目を狙うのが安全策でしょう。グリーンは小さくアンジュレーションが効いているため、ワンオンしても3パットのリスクがあります。
<15番ホール>
距離は13番よりもさらに短いものの、50ヤードの打ち上げがあるミドルホールです。若干右ドッグレッグに見え、右サイドを狙いましたが、セカンドのライを考慮すると左サイドがセオリーのようです。
右サイドからは、超絶左足上がりの50ヤードが残り、ショットに苦労する可能性があります。
セカンドの残り距離は約50ヤード(+18ヤード)。
<16番ホール>
唯一、どこに打てばよいか迷う短いミドルホールです。
看板を頼りに「もみの木」を目印にするものの、向こうに見える木がメタセコイヤかもみの木か判断がつかず、初見では分からない・・・という罠。
実際にセカンド地点まで進むと、左の傾斜がきつく少しでも突き抜けるとOBゾーンが待ち受けています。であれば、と右サイドの斜面を狙えば安全かというと、あまり右にいってしまうと1ペナゾーンの斜面で止まってしまうというなかなかどうしての困ったホール。
セカンドの距離が残ってしまったとしても150Y~170Yくらいをしっかりもみの木方向に打ってペナルティを避けるか、フェードで斜面スレスレを狙っていくかの2択と思料。後者で成功すれば、斜面を転がってグリーン手前に到達する可能性もあります。
セカンド残り30Y
<17番ホール>
短いミドルホールで、ティグラウンドの位置によって右サイドの景観が大きく異なり、大きく開けて見える位置と谷が気になる位置があります。
特に注意したいのが左サイドのOBゾーンです。最短距離に見えるピン方向を狙いたくなりますが、多少右にミスしても問題ないので、ど真ん中を狙ってショットしていきたいです。セカンドショットも距離は残りませんが、打ち上げの砲台グリーンなので、距離感が非常に大事です。
セカンド残り距離は約60ヤード(+10ヤード)。
<18ホール>
30ヤードの打ち下ろしとなる右ドッグレッグの短いロングホールで、2オンを狙うか手堅く3オンでいくか、戦略が問われるホールです。
右ドッグレッグが結構きついので、2オンを狙う場合はフェアウェイ左サイドを狙う必要がありますが、少しでも左に外れるか、飛びすぎるとOBのリスクが高まります。
3オン狙いなら、ドライバーを使わず7番アイアン3回でも十分グリーンに届きます。グリーン奥は狭いため、2オン狙いの際はしっかり止めるショットが求められ、スコアの明暗が分かれやすいホールです。
セカンド残り距離は約170ヤード(+10ヤード)。
(INコース総評)
INコースの印象として、「おぉ、山岳コースだ」と思えるのは11ホールでした。他のホールもアップダウンやブラインドホールが多いものの、どこに打ったら良いか分からないというものではなく、プレーに慣れることで徐々にベスポジが見えてくるホール多いです。
<OUTコース>
(1番ホール)
後半の出だしの1番ホールは、打ち上げの左右が広く見えるミドルホール。
ドライバーを気持ちよく振れるのが魅力。ただし、左サイドの150ヤード付近は窪地のOBゾーンがあり、一見右が安全に見えますが、そこが大きな罠。右は意外に狭く、OBを免れてもセカンドがスタイミーになるため、「左に外しても仕方ない」という気持ちで、左サイドを狙う勇気が重要。
セカンドは20ヤードほど打ち上げ、グリーン面が見えないため、距離感がスコアメイクの鍵。
セカンド残り150ヤード(+20ヤード)
(2番ホール)
30ヤード打ち下ろしの右ドッグレッグミドルホール。220ヤード以上飛ばせるなら右斜面スレスレを狙い、それ以下なら左サイドのバンカー狙いが理想。飛距離によって狙い目がハッキリと別れるホール。
逆を狙うと左バンカーを突き抜けて1ペナや右の斜面でスタイミーのリスクが。ぱっと見はさほどややこしく見えないが、油断すると意外とスコアを崩しやすいホールです。
セカンド残り140ヤード(-15ヤード)。
(3番ホール)
軽い打ち上げで120ヤード級のショートホール。
グリーン面が見えず、手前のバンカーがプレッシャーになります。奥も狭いため、ここでは左右のミスは許容し、縦距離の正確さが重要。
(4番ホール)
415ヤードと短いロングホールで2オンを狙いたくなりますが、スコアメイクには我慢が肝心。
左右が狭く打ち上げのため安定したドライバーショットが打ちづらく、無理に攻めず右サイドに狙うと安全。パーオンは容易なので、無理にバーディを狙わずレイアップも選択肢です。無理するとOB連発での大叩きも多いと思われます。
3rdショット残り50ヤード。
(5番ホール)
ストレートのミドルホールで、視覚的に狭く感じますが、ティショットは比較的シンプル。しかし、セカンドがつま先下がりの斜面から左方向へ打ち上げになるため、気を抜くとミスが出やすいホールです。
セカンド残り140ヤード(+15ヤード)
(6番ホール)
赤い陸橋が映える景色の良い谷越え(またはカート道越え)の140ヤード級ショートホール。
Bグリーンはカート道を挟んでいるため、左右が浅くミスが許されないレイアウト。とにかくグリーンの枠内に収めることが重要です。
(7番ホール)
打ち下ろしから打ち上げに変わるやや左ドッグレッグのミドルホール。
グリーン手前の大きな木がセカンドショットでの障害に。ティショットの狙いはグリーン位置により異なりますが、右サイドは見た目以上に狭いため、左サイドを狙うのが安全と感じます。
セカンド残り110ヤード(+10ヤード)
(8番ホール)
18番ホールをさらに過激にした右ドッグレッグのロングホールで、60ヤード打ち下ろし。
着弾地点が予測しづらく、初見のドローヒッターには難しいホールです。ただ、打ち下ろしの恩恵もあり、セカンド以降もそこまでタイトなつくりではなく2オンが狙いやすく、スコアメイクは比較的しやすいでしょう。
セカンド残り160ヤード(+10ヤード)
(9番ホール)
最終9番は仕上げにはもってこいの若干打ち上げとなっている広いミドルホール。恐らく一番広く感じるホールで、気持ち良くティショットとセカンドを打ち込めますが、他のミドルホールに比べて距離が長く、ここまで1回も使用していないクラブを使うことになる可能性も(私もその一人)。
セカンド残り160ヤード(+7ヤード)
(OUTコース総評)
後半のOUTコースは、INに比べて距離が長いミドルホールが多い印象を受けました。実際、200ヤード台のミドルホールはなく、また極端な打ち上げや打ち下ろし、ブラインドホールも少ないため、INコースよりも「普通」のコース設計となっていました。
<総評>
ドライバーを振り回さなくてもパーオンが狙え、正確なショットができればバーディチャンスが続くコースです。老若男女問わず、飛距離重視派も堅実派もスコアアップが狙えるコース設計と感じました。
このコースは決して「ただ短くて狭い」わけではなく、広いところではどれだけ曲げてもOBにならず、短くても距離感が合わないと大けがをする可能性があります。高低差の距離感や危険ゾーンを回避するショット力が重要で、通い詰めることでゴルフ技術の向上が期待できるコースです。
◇レストラン
PGMのレストランらしく、価格はお手頃で、メニューも一般的なもので、良い意味で不満が出ないレストランと言えます。
◇競技
月例競技はS、A、Bの3クラスに分かれており、Bクラスのメンバーからは「予約で入れなかったことはない」とのことでしたが、Aクラスは人数が増えて予約が取りづらいとの話がありました。また、思った以上に競技が盛んなようで、当日もクラブ選手権(クラチャン)の1回戦、2回戦をやっており、熱気を感じました。
一方で、前の組が研修会ということでラウンドをされていたのですが、ディポットやボールマークも直さない、次打のクラブを持参しないでカートとボール地点をトロトロと1.5往復・・・などスロープレーを連発というのが非常に気になりました。まさかのグリーン上をダッシュしていることも何度か・・・・。
私自身も研修会に所属していた際には、修復作業や迅速なプレー、マナーの徹底が教育されていたため、このような点には特に気を使っていました。それに加えて、クラブハウス内でのマナーやスタッフの方への配慮も含め5つの守りごとを守って倶楽部の模範になるよう留意し、ゴルフを楽しんでおりました。
「それが無かったら単なるゴルフが上手い人の集まりになるぞ!」と先輩にお叱りを頂きながらではありますが。
たまたまかもしれませんが、「良いゴルフ場だなー」と感じながらプレーしていたので、少し残念に感じた瞬間でした。
◇予約
PGM系列のため、電話やネットで簡単に予約が可能です。一人予約も可能で、お一人様でも問題なくラウンドできると思います。しかし、アクセスが良く人気のゴルフ場のため、組予約やコンペ予約は非常に難しいとのこと。
PGMのゴルフ場に総じて言えることではありますが、仮予約して直前にキャンセルするゴルファーをどうやって防いでいくかを、「キャンセル料の厳格化」の前に考えた方が良いのではないかと感じます。
◇当日の進行
INスタートの場合、スタートホールまでの距離が異常に長いため、早めに準備して向かっておかないと次の組に迷惑が掛かる可能性が大きいです。
また、ホール間のインターバルが非常に長いところもあるため、カート移動中の暇つぶしが必要でした。
進行状況としては、後半の打ち下ろしホールで待ちが発生することもありましたが、行列ができるほどではなく、昼食時間も1時間10分と想定より短め。同伴メンバーによると「いつもこんな感じ。ここはあまり組数を詰め込まないみたい」とのことでした。
8:45 INスタート
11:13 INホールアウト
12:15 OUTスタート
15:00 OUTホールアウト
◇最後に-大秦野カントリークラブの会員権をご検討の方に-
現在の行われている会員募集は非常にお得に感じました。
それを踏まえて、全体としてまとめますと大秦野カントリークラブは、
・東名高速からのアクセスが抜群に良い(インターから2分で到着)
・都内から電車でも行きやすい(クラブバスの本数も多い)
・会員権価格的にかなりお手頃な価格帯
・距離がそこまで長くないのでどんなゴルファーでも楽しめる
というのが最大の特長と感じました
それ以外には
・競技が盛んに行われている
・昼食の待ち時間が少ないという噂(同伴メンバーさんの弁)
・PGMのゴルフ場なのでP-CAPが使える
というメリットを感じました
一方で
・接待を中心としたゴルフライフの方
・とにかく飛距離重視でラウンドしたい方
・Par71はちょっとなあと感じる方
・アップダウンやOBや1ペナがあるゴルフ場は安っぽさを感じてしまう
には不満が残ってしまうような気がしました
PGMの会員権を既にお持ちで、2つ目の会員権を検討されている方にはネットの口コミはあまり気にせず一度ラウンドしてみることをオススメします
今回のレポートは以上となります。
大秦野カントリークラブ(神奈川県秦野市横野500)