「OUTとIN」、「レギュラーとフルバック」で異なる印象になる飯能くすの樹カントリー

2023年12月20日(水)

2023年最後のレポートは、埼玉県の飯能くすの樹カントリー倶楽部です。前回の御殿場東名ゴルフクラブもPGMのコースでしたが、従前から競技に熱心だという話をよく耳にしていたので、念願叶ってのラウンドになりました。

冒頭に結論めいたことを申し上げますと、
・OUTとINでは全く異なるゴルフ場
・レギュラーティとフルバックティでは全く異なるゴルフ場
いわば、このマトリックスが特徴的なコースでした。

競技参加を念頭にご検討されている方は、レギュラーティ、フルバックティ双方でラウンドされることをオススメいたします。

どういうゴルファーにオススメかは最後に纏めます。

◇アクセス
私の家は最寄りが東名高速・横浜町田ICの為、東名高速→圏央道を使い、青梅ICで下りて飯能くすの樹に向かいました。

青梅ICを下りてからコースまで約25分かかります。インターから12kmあるので、多少の距離は感じます。
とはいえ、山道をひたすらという感じでもなく、道中にいくつかコンビニエンスストアもありますので、アクセスは良いと感じました。帰りは青梅ICの入口が混雑していました。

都内からは、恐らく圏央道の狭山日高ICが至近ではないかと思います。同伴者の池袋在住のメンバーさんは狭山日高ICから来ており、ICを下りてからは25分~30分くらいかかるとのことでした。

レストランの掲示を見ると、クラブバスが飯能駅から朝は5本出ているようでした。そのため、電車ゴルファーの方にとってはかなり利便性が高いのではないかと感じました。

◇クラブハウス
飯能くすの樹のクラブハウスは、一度見たら誰もが忘れない特徴的な造りです。宙に浮いているようにも見え、メインフロアが2階にあります。エスカレーターでフロントに上がっていくのはなかなか斬新でした。

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ただ、フロント、更衣室、レストランがそれぞれバラバラに配置されており、導線はあまり良くないなと感じました。

ゴルフをするのにクラブハウスの導線は無関係ではありますが、どうしてこのような導線になったのだろう?と皆さん思われるのではないかと思います。

◇練習場
2階にあるフロントのすぐ向かいに、30ヤードほどの3打席しかない小さいドライビングレンジがあります。エスカレーターを昇ったところにあり、練習している後ろをプレーヤーがウロウロしているので少し気が散るような気もしました。距離はありませんが、当たりの確認をするレベルでは問題ないと思います。

drivingrange-hannokusunoki.JPG

それに加えて新設されたというバンカー練習場がありました。かなり狭いので先客が練習しているところにズカズカと入り込んでしまうと打球事故に繋がるのではないかと思える感じでした。

とはいえ、バンカー練習ができるのは良いことだと思いました。

◇当日のラウンド
飯能くすの樹はワングリーンの18Hです。当日はメンバーさん3人に入れて頂いたのですが、競技の練習ということで皆さんフルバックティでのラウンドされるとのこと。フルバックティでやっても迷惑でないか確認したところ、HDCPを聞かれ、問題ないとのことだったので初見にも関わらずフルバックティからご相伴に預かりました。

当日はIN→OUTでのラウンド。事前のリサーチではINは短くてトリッキー、OUTは素直だけど長いというのを確認していましたが、ここまで違うとは・・・・・。

<INコース>
出だしの10番は左ドッグレッグのミドルホール。

ティグラウンドでの最初の印象は、「うわ、狭っ!」でした。コースレイアウトもさることながら、ティグラウンドも狭い。

気が付けば18ホール、ずっと狭いティグラウンドとの闘いでした。

4名がまともにティグラウンドに立てるホールはなく、打ったら交替を繰り返す感じでした。これはいつも広々とティグラウンドから立ち位置を考えてプレイするプレイヤーはかなり気になるのではないかと感じました。

話を10番ホールに戻しますと、コースも「狭い」です。

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※IN10番ホール、レギュラーティ横からの眺め

HPやゴルフ場予約サイトの写真を見ると、「どこから撮ったの?」と思えるくらい、視覚的には「狭い」です。

実際にはそこまで狭くないのですが、どこにどれだけ打ったら良いのかは初見では全く分からないと思います。

恐らく右に見えるバンカー方向に打ちたくなるのですが、少しでも右曲げたらOB、まっすぐナイスショットしたらバンカー。

ドライバーを使わないというのが最適なルートなのだろうという結論ではありましたが、朝一のティショットからレイアップするのに抵抗があったので、ドライバーで何とかフェアウェイ左サイドに置きました。ただ、セカンド地点に行ってみると、もう少し左に打っていたら斜面からのスタイミーなアプローチという地獄にはまるところでした。

やはり、ここはレイアップなのでしょう。セカンド残り110Y。

同伴のメンバーさんは「ウチのグリーンは超早いからね!」と連呼されていましたが、そこまでは早く感じず・・・。

11番は220Y級のショートホール。
距離が長いのはさておき、これまた左右に林がせり出し、どちらもOBゾーン。超絶に狭い。いや、狭く見える?

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メンバーさんに、「これってメンバーの皆さんはどう攻めていますか?」と聞いたところ、「OBかワンオン、イチかバチかだね、ここは」とのこと。

そんなのゴルフじゃないという言葉を封印し、200Yでバンカー横か180Yでバンカー手前がセオリーなのだろうと勝手に思い込み、バンカー横にレイアップ。セカンド残り30Yのアプローチ。

ここで気が付いたのがレギュラーティからの見え方。レギュラーティからも比較的狭くは見えるが、そこまで狭くは感じず、きちんとグリーンを狙えるというイメージでした。

12番はダラっと上っていくやや右ドッグレッグの430Yのミドルホール。

距離が長いので最短距離の右サイドを狙いたくなるが、フェアウェイが右に傾いているだけでなく、右サイドはすぐにOBかつ運よく残ってもセカンドがスタイミーになるというNGゾーン。

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セカンドがどれだけ残っても左サイドに見えるバンカー方向がセオリー。ここもレギュラーティからの眺めは全く異なる印象。セカンド残り190Y(上り+5Y)。

13番は打ち下ろしから始まるロングホール。
左サイドが突き抜けるように見えるため、右サイドに逃げたくなるが、それが罠。絶好の位置にクロスバンカーがあるわ、セカンドがスタイミーだわの2重苦に陥る。

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突き抜けたらナイスショットした自分を褒めるという覚悟で左サイドを狙うべきと思料。セカンドも残り300Yはたっぷり残るのだが、セカンドからはかなり狭く感じるレイアウト。

無理せず、残り120Y残しでクロスバンカー横というのが安全策と思われる。

14番は30Y打ち下ろしの160Y級のショート。

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山岳コースによくあるレイアウトなので、そこまで違和感はない。バンカーに囲まれているので、左奥以外はミスショットしても大怪我もない。気にするべきはグリーンがやけに右に傾斜していることくらいだろうか。

15番は距離的には短いミドル。
ただ、ティグラウンドからパっと見でバンカーが気になってしまうのが特徴的。バンカーに入れてもそこからはそれほど距離も残らないので、このホールもいっそのことバンカーを狙って、入ったら上出来と割り切ってティショットすべき。

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で、セカンド地点に行ってみるとフルバックからだとバンカーに入りそうで全く届かない距離感であることに気づく。

セカンド残り140Y(上り+15Y)。

16番はフォアキャディさんが配置されている右ドッグレッグのミドルホール。初見だと正直どこに打ったら良いのか全く分からない。

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メンバーさん3人もバラバラのことを仰っていて、とにかく見えているところに打つしかないのかあという印象。
結果、フェアウェイをキープできたが、少しでも右に逸れていたら事故っていたし、手前にレイアップするにも崖なのでNG。

振り返っても何がベストだったのか分からないホール。セカンド残り130Y(上り+5Y)。

17番は更にトリッキーなミドルホール。
16番に比べて距離は短いが、左の林が邪魔にも関わらず、右はずっとOBというフェードヒッターはどうにもならないレイアウト。

ドライバーによほど自信がなければ180Y打って、落ちたところ次第という感じか。落ち処もティグラウンドからは見えないので、不安なままセカンド地点に赴くことになる。

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このホールは特にフルバックティからの眺めが悪く、レギュラーティからは若干右ドッグレッグの短いサービスミドルともいえる。

セカンド残り125Y(下り-5Y)。

前半最後の18番は左ドッグレッグのロングホール。
セカンド以降は、ずっと左サイドのカート道からすぐがOBという、カート道に落ちた瞬間にOB覚悟の打ちどころの狭い難しいロング。ここまで来るともはやフルショットするよりどこまで自分自身のショットをコントロールできるかの勝負になるため、競技でも最後の最後まで気が抜けないだろうなと想像して前半ホールアウト。

セカンド残り290Y(上り+10Y)。

INの印象は従前の予想を遥かに超えてトリッキーなホールが多かった印象。レギュラーティからであればトリッキーさはだいぶ薄れると思うので、レギュラーティからラウンドしてみたかったというのが正直な感想。

冒頭にも記載の通り、とにかくティグラウンドが小さく無理やり作った感が否めないので、競技中心のプレイヤーはストレスを感じるのではないかと。

<OUTコース>
後半出だしの1番は、ダラっと上ってから下りのストレートのミドルホール。
まずもって最初の印象は「広っ」。
どれだけ振り回しても見えるところには残ってくれそうなくらいの広さを視覚的に感じるのは、前半の印象からなのか、実際にそうなのか。

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次回、OUTからスタートしたらどういう印象なのか楽しみではある。
とはいえ、430Yと距離はたっぷりあるため、振り回して左右に曲げると大叩きする可能性もあるので、センターセオリーでセカンド勝負。
セカンド残り210Y(下り-10Y)。

2番は200Y級のショートホール。

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一見変哲もないショートホールに見えるのだが、グリーンが斜めになっているので、縦距離をきちんと合わせないと手前のスロープからの難しいアプローチを残すか、グリーン奥に抜けてしまう可能性が高いと思われる。ピン位置はどうであれ、グリーンセンターの距離感を覚えてセンター狙いで打つのが良いのではないかと。

3番は少しS字っぽいロングホール。

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2オン狙うなら右サイドからなのだと思いますが、右サイドは意外に狭いOBゾーン。3オン狙いならむしろ左サイドにティショットし、堅実にセカンドショットするというのが近道に感じた。セカンド残り300Y(上り+5Y)。

4番は初めてとも言えるストレートで見渡しの良いミドルホール。
右サイドが若干気になるが、左サイドは安全ゾーンなので、気持ちよくティショットできる。最後の罠は、グリーンの奥がすぐ林になっているので、そのプレッシャーを感じるか感じないかくらいか。セカンド残り150Y(ほぼフラット)。

5番は右ドッグレッグの少し長めのミドルホール。

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セカンドの距離を考えると右サイドから攻めるべきではあるが、右傾斜しているのでセカンドが若干打ちづらい印象が残った。ここも特筆すべき罠はなく、素直なミドルホール。
セカンド残り195Y(ほぼフラット)。

6番は175Y級のショートホール。
フルバックのティーイングエリアはなぜここに作ったのだろう?と思えるような、奥まった打ちづらい場所。

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レイアウト自体は砲台になっていて、右にも左にも違った危険ゾーンがある面白いレイアウトなので、無理やり距離を延ばしてレートを上げているような感じは非常にもったいないと感じた。
グリーンは2段で同じ段につけないと3パット必至。

7番は打ち上げからフラットになるロングホール。
正直ここが最終ホールなのではないか?とうっかり勘違いしてしまうような雰囲気をもったロングホール。

グリーン左手前から大きな池があるので、2オン狙いはイチかバチかになる可能性が高い。
右サイドからであれば、3rdショットも池のプレッシャーはそこまで感じず、パーオンは狙いやすい。
セカンド残り300Y(ほぼフラット)。

8番は打ち上げ右ドッグレッグの短いミドルホール。
距離的にいえば右のバンカー上をショートカットなのだろうが、結果としてショートカットするメリットはそこまでなく、素直に道なりにティショットした方が纏めやすいサービスホールだろうと振り返ってみて感じた。セカンド残り90Y(+5Y)。

最終9番は、ほぼストレートに見えるが罠の利いたミドルホール。

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グリーン手前の池に目が行きがちではあるが、左右のクロスバンカーの方がややこしい存在。
左サイドのバンカーを避けて右サイドからいくと、意外に距離が出るとバンカーにハマり、池越えのバンカーショットという試練を味わうことになる。左サイドのバンカーはそこまでややこしくならないので左サイド一択か。
セカンド残り160Y(ほぼフラット)。

OUTはINに比べて特筆すべきものがないというのが褒め言葉になるくらいシンプルではあるが、簡単ではないホールが続く印象。
コンペを開催しても、全員快適にゴルフを楽しめると感じた。

総評-飯能くすの樹カントリー倶楽部をラウンドしてみて-
このコースを評するには次回レギュラーティからラウンドしてみないと何とも言えない、というのが今回の感想になります

あえて難しくしたものを攻略するというのは確かに楽しいかもしれませんが、私見としてはもう少し素直なところにティを配置してくれたらもっと楽しめるのではないかと感じました。

それ以外にメンバーさんに聞いた話では、INコースでほとんど待ちホールなく廻れたのはほぼトップスタートだからであって、いつもは待ち待ちになることが多いとのこと。

待ちなくラウンドしたいならINコースの早めの時間でラウンドするのがオススメとのアドバイスを頂いた。

◇レストラン
ガラス張りで解放感のあるコースがよく見えるレイアウト。メニューも少し変わったメニューが多く飽きない印象でした。

◇競技
月例はA、Bの2クラス分けになっていて、かなり盛んにやっている印象。当日ご一緒したメンバーさん3人も月例など各種競技に出場されているようで、キャンセル待ちになることがほとんどだが、ほぼ出場できるとのこと。

◇予約
PGMのゴルフ場なので基本は電話とネット予約。一人予約も開放しているので、メンバーでもビジターでも予約は取りやすいと想像。とはいえ人気コースのようで、今回もたまたま空き枠が出たのでラウンドできたという印象は否めない。

◇プレー進行
前述の通り、INコースは待ち待ちになることが多いようだが、当日はほぼ待ち時間なくラウンドできた。

07:14 INスタート
09:35 INホールアウト
10:55 OUTスタート
13:03 OUTホールアウト
お風呂入って、13:35チェックアウト

こんな感じでした。

◇最後に-飯能くすの樹カントリー会員権をご検討の方に-
都内からも神奈川県方面からもそこそこアクセスが良く、競技に熱心なゴルファーが多いので、これから競技を始めてみたいというゴルファーには良いのではないかと思います。

接待にはINコースのレイアウトを考えるとちょっと向いていないような気もします

OUTコースはどんなゴルファーでも楽しめると思うので、そこをどう考えるかがポイントだと感じました。

全体としてまとめますと、飯能くすの樹カントリー倶楽部は、
・埼玉県でもアクセスが比較的良く、お手頃なゴルフ場をお探しの方
・競技をこれから始めたい方
・PGMのゴルフ場で検討している方
に向いているコースだと思います。


飯能くすの樹カントリー倶楽部(埼玉県飯能市小岩井350)