2025.09.04
2025年1月31日、アコーディア・ゴルフの運営を開始した株式会社平和。統合から半年が経過し、ゴルフ会員権業界では大きなニュースが発表されました。最近では、大厚木カントリークラブや東千葉カントリークラブ、グレンオークスなど、アコーディア関連コースへのお問い合わせが増加している印象です。
今回の新制度では、PGM・アコーディア双方の会員が、他グループの会員権を優待価格(名義書換料半額など)で取得できるようになります。詳細は以下をご参照ください。
👉 PGM・アコーディア会員向け:他グループ会員権を優待価格で
例えば、神奈川県横浜市にお住まいで「小田原ゴルフ倶楽部松田コース」の会員の方が、より自宅に近いコースへ買い替えたいと考えた場合、これまでは大厚木カントリークラブしか選択肢がありませんでした。しかし大厚木には「トランスファー制度(名義書換料半額措置)」が適用されないため、実質的に自宅から近くのコースへの買い替え選択肢は限定的でした。
今回の制度により、秦野CC、大秦野CC、伊勢原CC、東名厚木CCといったPGM系コースが新たに優遇対象となり、買い替えの選択肢が大幅に広がります。名義書換料が半額となるため、コストメリットも非常に大きいといえます。
会員が買い替えを行う主な理由
ゴルフ会員権の買い替えには、大きく分けて2つの動機があります。
(1)グレードアップ:現在の所属コースよりも上質なコースへ移る場合
(2)利便性重視:自宅からより近いコースへ移る場合など
これまで、こうしたニーズを持つ会員はグループ外のコースへ流出するケースがありました。しかし今回の施策により、アコーディアとPGMのグループ内での移動を促すことができ、両社にとって顧客維持につながる点が大きな狙いと考えられます。
高級路線コースが除外されている理由
制度の対象外となるコースにも注目です。関東地区では、PGMの旗艦コース「総武カントリークラブ」が除外されているのは現在もP-CAPの適用外なので当然ですが、アコーディアでは成田GC、習志野CC、東千葉CC、グレンオークス、オーク・ヒルズ、富士市原といった高級路線コースが複数外れています(神奈川県の大型コース、大厚木CCも対象外です)。
これは、アコーディア会員からPGM会員への追加購入を促す一方で、アコーディアの高級ブランドを維持・差別化する狙いが背景にあると考えられます。結果として、PGM側のコースへ新たな会員を取り込みやすくする仕組みにも見えます。
株式会社平和にとっての意義
今回の制度は、単なる名義書換料の優遇施策にとどまりません。
・グループ内での会員流動を活性化させ、名義書換収入を確保できる
・会員がグループ外へ流出するのを防ぎ、ロイヤリティを高められる
平和にとっては、双方のブランドを活かしながら「世界最大のゴルフ場経営会社」としての基盤を強化する施策の第一弾といえるでしょう。
また、並行して「アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ」が「習志野カントリークラブ」へと名称変更される動きもあり、ブランド整理とポジショニング戦略が今後加速する可能性があります。
まとめ
今回の「名義書換料優遇制度」は、アコーディアとPGM双方にとって会員維持と収益拡大を狙った施策であり、会員にとっても大きなメリットがあります。
今後も両社は、グループ内での移籍や追加入会を促す新たな仕組みを打ち出していく可能性が高いです。世界最大のゴルフ場経営会社として統合から半年が経過しましたが、リーディングカンパニーとしてさらなる革新的な施策が第二弾、第三弾と続いていくことを大いに期待したいところです。
カテゴリから記事を探す
年から記事を探す